一昨日の前回記事
カルロス・ゴーンの罪は一体何なのか?
http://www.hazemixeddays.com/2018/11/blog-post.html
では流行に乗っかり巷で話題のニュースを元に
皆様と一緒に考え直してみましたが、
二日たってもまだまだホットな感じなので、
もう一度見直してみようかなと考えています。
今回どうしても引っかかるのが、
「 これって日本という国の根源的な病巣なのでは? 」
と、恐ろしく感じる部分だからです。
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カルロス・ゴーン氏が逮捕された容疑は
『金融商品取引法違反 有価証券報告書虚偽記載』
だそうです。
ところが巷でのニュース記事の論点は、
1.報酬が高すぎるだろ!
2.日産自動車の過去のリストラの被害者がかわいそう!
ばかりで、
「 何ぃっ!!
有価証券報告書に
ウソを書きやがっただって!?
とんでもない野郎だな!! 」
というような論調は見た事がありません。
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前回記事にも記載しましたが、
「 1.報酬が高すぎるだろ! 」
ある程度言う権利はあるのですが、
いやなら株主総会で意見をするか、
他の株主と協力して過半数票を集める、
または過半数を取得して日産自動車を買収して
カルロス・ゴーン氏を解任するか、
やれることはこんなところで、
株主でもない無関係な人たちが、
報酬が高いだなんだという権利は無いのです。
また、
「 世界ではどうだか知らんが、
日本ではいくら役員報酬だといっても
そんなにべらぼうに高いのはおかしい 」
なんてことを言ってる人、
日本は世界と違うって…
「西郷どん」ではないですが、
明治維新前の江戸時代の日本の話ですか?
あと、ついでの話みたいに
関連会社がどこぞに豪邸を建てて、
そこに無償で住まわせている、
というのが槍玉に挙げられていますが…
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日産自動車の2017年度
・売上高 11兆9,512億円
・営業利益 5,748億円
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10億やそこらの家ぐらい買ってあげなさいよ。
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「 2.日産自動車の過去のリストラの被害者がかわいそう! 」
については、
非常に心苦しいですが、
これは資本主義にあってはしようが無いことです。
また、残酷なことを申し上げるようですが、
リストラされなかった残った社員の側の感情はどうでしょうか。
大人なので、言葉や顔には出さないだろうと思いますが、
「 あぁ、良かったぁ~…
あの人たちをバッサリ切ってくれたおかげで、
自分の雇用、給与は継続された。
自分自身、家族を守り続けることが出来る。
ゴーンさん!ありがとう! 」
と思っているのではないでしょうか。
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また、人によっては
「 ちょろまかした何十億円があったら
その人たちの雇用を守れたんじゃないの? 」
という論法を用いていますが、
「 そもそも、年20億円はもらえる
約束だったのでもらった。
今回逮捕されたのは、もらった額について
法律で決められた書類に正しく書かなかった。 」
約束だったのでもらった。
今回逮捕されたのは、もらった額について
法律で決められた書類に正しく書かなかった。 」
のであって、
本当はもらうべきじゃなかったお金を
インチキ、詐欺で騙し取ったわけではないのです。
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「バッサリ」やらなかった日本企業は
どこもかしこも余剰社員の雇用、給与水準を守るために、
下請企業を倒産させまくり、
新規雇用を絞り込んで組織体系のバランスを崩した。
つまり、余剰社員の雇用を守ったせいで、
取引先を倒産させてその雇用を奪い、
新たに雇われるはずであった若い人員の雇用が疎外、
つまり奪われたわけです。
結局自分の首を絞めまくって倒産寸前、又は実際に倒産して、
守ったはずの余剰社員の雇用も怪しくなった。
守ったはずの余剰社員の雇用も怪しくなった。
いかがでしょうか。
社内政治をうまく立ち回って
出世しただけで役員になった
会社が倒産寸前に追い込まれているのに
危機意識が全く無い。
けど報酬は安いという役員
と
報酬はべらぼうに高い
(ただし、企業規模と比較するとさほどでもない)
が、会社を何とか立て直すことに責任を持って、
実際に実行できる(できた)
ヘッドハントされてきた外部の役員
どちらを選択しますか?
(ちなみに上記の選択肢にはあえて
日本人、外国人と記載はしませんでした。
その区別はもはや意味が無いからです。)
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最初に記載した
「 これって日本という国の根源的な病巣なのでは? 」
というのは、
今回外野でがたがた言っている人たちは、
戦後教育の「平等」の刷り込みによって、
◆頑張った結果、人より良い状態になっている人の足を引っ張る、
◆良い状態になっている人がつまづいたら「ざまー見ろ」と思う、
◆そういうのを表面化させないために
ゴール直前で手をつないで全員が同時にゴールする、
なんていう薄気味の悪い悪趣味なパフォーマンスをする。
のかな?と思ったのですが、
最初に記載した
「 これって日本という国の根源的な病巣なのでは? 」
というのは、
今回外野でがたがた言っている人たちは、
戦後教育の「平等」の刷り込みによって、
◆頑張った結果、人より良い状態になっている人の足を引っ張る、
◆良い状態になっている人がつまづいたら「ざまー見ろ」と思う、
◆そういうのを表面化させないために
ゴール直前で手をつないで全員が同時にゴールする、
なんていう薄気味の悪い悪趣味なパフォーマンスをする。
のかな?と思ったのですが、
もしかして日本人という人種のDNAにそういうのが
設計図としてプリントされているのではないだろうか。
ふとそんな風に思ったからです。
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我々資本主義社会で生活する人間は常に投資家です。
「 いや、そんなお金持ってないし、
株も債券も持ってないよ 」
と、おっしゃるかもしれませんが、
投資の資は別に現金だけではありません。
時間と労力も資源です。
つまり、
「 より時給の高い方が良いね。
だけど、体を壊すような
ハード過ぎるのはダメだな。 」
とアルバイト先を探すのは、
自分の時間と労力、能力を
どこに投資するかを検討しているのと同じです。
またブラック企業と分かっていながら、
会社を辞められずずっと我慢し続けるのは、
さしずめ値下がりした株を持ち続ける
「塩漬け」と呼ばれるような状態に
似ているかもしれませんね。
さっさと現金化(会社を辞めて)して
別の投資先を探せば(転職すれば)よいのに。
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急に何の話?
と思われるかもしれませんが、
カルロス・ゴーン氏も同じように、
時間と労力と能力を日産自動車の再建と、
安定した事業継続というタスクに「投資」を行い、
その成功報酬として役員報酬を取得していたわけです。
これに対して今回の逮捕によって、
投資家、つまり優秀な人材が、
「 あ、この会社ってすごくしみったれていて、
頑張ってもリターンが少ない、
もしくは不当にリターンを削られる感じなんだ。
投資する(自分が頑張る)対象として不適格だな 」
と判断したらどうでしょうか。
「日本」に書き換えたらどうでしょうか。
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同じようなことを当ブログの以下の過去記事でも記載したのですが、
賃金格差是正は企業VS非正規雇用の闘いではない。
ある企業に対して、
「 投資先(労働力の提供先)として不適格 」
と投資家(優秀な人材)が判断して
資源(優秀な労働力)が集まらない、
または資源が流出(退職)すると
その企業がつぶれるだけです。
しかし、これが日本全体を指した場合どうでしょう。
今回記事の途中、
『 「西郷どん」ではないですが、
明治維新前の江戸時代の日本の話ですか? 』
というような揶揄を記載しましたが、
西郷どんの時代は今想像できるよりも
はるかにグローバリゼーションを意識せざるを得ない
大変な時代だったと思います。
ただし、現在の日本と大きく異なり、
世の中が便利になって、
ある程度簡単に海外で活躍することができる。
つまり、現代の日本国内の「 投資家 」は
明治維新前後の憂国の志士たちの様に、
「 何とか頑張って日本の
投資先としての格付けを上げよう! 」
と命を懸けて頑張る必要がなく、
「 あ、もうこの国は投資不適格だな!
別の投資先に資源を移そう!
(つまり、移住しちゃおう) 」
ということが発生しやすいということです。
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またおおよその人間は急激な変化を好まないので、
日産自動車から即時に人材が流出し
倒産の憂き目にあうということはないだろうと思いますが…
残った役員方が明治維新直前の徳川幕府の
頑迷、旧態依然とした官僚のような状態でないことを
切に祈るばかりです。
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