先週カルロス・ゴーン氏が
『金融商品取引法違反 有価証券報告書虚偽記載』
で逮捕されてから前回、前々回と以下のような記事を記載しました。
カルロス・ゴーンの罪は一体何なのか?
http://www.hazemixeddays.com/2018/11/blog-post_23.html
【続】カルロス・ゴーンの罪は一体何なのか?
http://www.hazemixeddays.com/2018/11/blog-post_23.html
ニュースで見るだけなので本当のところは
よく分からないといったところですが、
そもそもの逮捕容疑についての議論より、
報酬が高すぎる、リストラやりすぎの悪党、
守銭奴、金の亡者、なんて論調ばかりで、
ゴーン氏を擁護するつもりではないのですが、
逮捕容疑そのものではなく、
上記のような感情、感覚に基づく
的外れなみっともない(と思える)意見に
「 いや、それは違うんじゃないですか? 」
というところを皆さんと一緒に考えてもらいました。
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さて、今回はタイトルを
「【終】カルロス・ゴーンの罪は一体何なのか?」
としました。
この一連の騒動に関連したトピックで
我々一般庶民が教訓にすべき記事を
本日ネットで見つけられたので
皆さんに共有しつつ締めくくりとしたいと思います。
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日産リストラ元従業員ら会見「我々を犠牲に巨額報酬」
https://mainichi.jp/articles/20181127/k00/00m/040/061000c
カルロス・ゴーン前会長(64)によるリストラ策で
派遣切りや雇い止めにされた男性2人が26日、
東京都内で記者会見した。
男性らは、ゴーン前会長が巨額の報酬を
過少記載していた疑いが持たれていることについて
「我々の生活を犠牲にして得ていたのか」と憤り、
西川(さいかわ)広人社長に対して
「職場復帰の英断を下してほしい」と訴えた。
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会見したのは、日産の派遣社員だった阿部恭さん(55)と、
関連会社日産車体(神奈川県平塚市)の製造ラインで
期間工として働いていた釜倉猛さん(41)。
ゴーン前会長はリーマン・ショック後の対策として、
2009年2月、グループ全体で約2万人のリストラを発表。
2人も翌3月に職場を追われた。
釜倉さんは09年2月、同僚とともに集められ、上司から
「経済危機なので、3月に雇い止めにするから」と通告された。
会見で「(日産を離れた後は)年収200万円にも満たなくなり、
苦しい10年を過ごしてきた。
我々の首を切っておきながら、巨額の報酬は許せないし、
まだ隠しているものがあるのではないか」と怒りの声を上げた。
2人は今も、日産と日産車体に対し、団体交渉に応じるよう求め
中央労働委員会で争っている。
釜倉さんは「今回の事件だけでなく、我々の問題も解決してほしい。
社長の英断でできるはずだ」と訴えた。【神足俊輔】
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うーん。
これ、本気で言っているのでしょうか。
何というか、
なんかちょっとしんどいなー。
どういう角度で見てもしんどい。
大変な思いをなさっているというのは
すごく理解できるのですが、
全く的を外していると言わざるを得ないと思います。
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「今回の事件だけでなく、
我々の問題も解決してほしい。
社長の英断でできるはずだ」
というセリフからにじみ出てくる
違和感は何なのか。
何から切り出せばよいか分からないのですが、
結論から言うと、
「主体性の欠如」
これに尽きると思います。
つまり、
「前回リストラにあった際は
経済状況が難しかったのは理解できる。
今回ゴーン氏の不正発覚と解任によって
その他の役員の報酬も妥当な範囲に収まると想像できる。
その差額でリストラされた人員の再雇用を求めて行きたい。」
とか、
または
「今回の事件を単なる一個人の不正ではなく、
会社全体の組織的な不正があったと明らかにしたい。
我々の解雇がゴーン氏の報酬を確保することが目的で行われた
不当なものであったことを証明して、
ゴーン氏個人には不当に得た報酬から弁済を求め、
日産自動車には再雇用を求める。」
というような主張なら、
「うん、まあ頑張ってみなはれ!」
と応援したくもなるのですが、
「問題を解決してほしい」とか、
「社長の英断」とか、
そういう問題じゃなくないかな。
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彼らは会社、または社長に解雇されたと
認識なさっているようですが、
これがちょっとまずいんですよね。
じゃあ誰に解雇されたのか。
株主でも、ましてや神や仏でもない。
「ニーズとサービスのアンマッチ」
つまり、
会社が求めるものと、
提供できる労働力が釣り合っていない、
これが解雇された原因です。
社長が独断で
「切っちゃおう♪」
って解雇するわけもなく。
確かに大量のリストラであれば、
一人一人の経験やスキルを綿密に吟味して、
ジャッジを下すということはできないと思いますが、
それでも、
「あなたはどうしてもこの会社に必要だ」
と思われる人材なら解雇はされないでしょうよ。
「ちゃんとスキルも経験もあるのに、
吟味されてないな。
こんな会社こっちから願い下げだよ」と思うような人であれば、
または
「もっとスキルを磨いて
求められる人材になろう!」
というような気概のある人であれば、
「苦しい10年を過ごしてきた」
とか言ってないで、
満足できる職に就くことができたのではないでしょうか。
お叱りを受けるのは承知であえて悪い表現で言いますが、
リストラされちゃった人たち全員が同じように、
こういう「泣き言」を言っているのでしょうか。
一生懸命に体勢を立て直して
頑張っている人もいるでしょうし、
そういう人たちに失礼じゃないのかな。
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そして、
多分こういう種類の人たちは
どこかの会社に雇われている間は
こう思っていると筆者は想像します。
「会社に雇ってもらっている。
ありがたい。」と。
「意外、逆じゃない?
むしろもっと横柄で
『給料安いくせに偉そうに言いやがって』
とか言ってそうじゃない?」
と思われるかもしれませんが。
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筆者も所詮は中の中程度の
ごくごく一般的なサラリーマンです。
ただし、会社に対する態度として、
「感謝します。
ですが、それは
『採用してもらった、
チャンスをもらった』
ことに対してのみです。
後の給与は会社と自分との対等な契約で、
必要とされているスキル、
労働力を提供した見返りに、
正当な報酬として受け取っているものである。
なので過剰に感謝はしません。」
ということを常に心のどこかに置くようにしています。
「会社と対等な契約」であるということは
可愛げのない、偉そうな態度を取りたい、
ということではなく、
むしろ逆に
「ちゃんと求められたものを提供できなきゃ、
クビになるんだぜ?
会社はお前のことを守ってなんかくれないんだよ?」
と銘肝すべきと思っているからです。
これに対して
「会社に雇ってもらっている。
ありがたい。」として、
「会社が上、雇われている自分が下、
感謝しながら言われた通り
一生懸命にやってれば良い」
と一昔前なら美徳と捉えられてしまうような態度でいると、
急に解雇されたような時に、
「自分を守ってくれなかった」
会社に逆恨みをぶつけたりするようになる、
そんな気がします。
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こういう種類の人たちのことを
上から目線で非常に恐縮ですが、
本当にかわいそうだと思います。
リストラされて大変な思いをしていることに対してではなく、
恐らく死ぬまでこういう境遇から
抜け出すことができないんだろうな、
と想像ができるから。
我々の問題も解決してほしい。
じゃない。
あなた方の問題を解決するのは
あなた方自身なのだ。
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