2019年1月8日火曜日

日本に「投資をしたい」と思うか?

日本に「投資をしたい」と思うか?

今日はまたゴーン氏関連で
以下のような記事が出ていましたね。

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ゴーン弁護人会見で外国人記者が語る
「日本で社長をやりたいと思う人はいなくなる」

 私的な投資で生じた損失を日産に付け替えたなどして、会社法違反(特別背任)の容疑で逮捕されたカルロス・ゴーン日産自動車前会長が8日、東京地裁で開かれた勾留理由開示手続きに出廷し、自らの「無罪」を訴えた。

 午後には、都内の外国特派員協会でゴーン氏の弁護人を務める大鶴基成氏が記者会見を開催。国内外のメディアから約230人、テレビカメラはBBCやアルジャジーラなど25台集まった。

(中略)

「国際社会から、ゴーン氏は外国人だから逮捕されたと思われても仕方ありません。これでは、外国人で日本で社長をやりたいと思う人はいなくなります」

 ゴーン氏の弁護側は、外国特派員協会を通じて、世界に向けて無実を主張した。一方、特捜は世界から起きている批判に何も答えておらず、日本の司法制度に対して世界の目はますます厳しくなっている。アデルシュタイン記者は、こうも話した。

「問われているのは日本の司法制度だけではありません。この事件では、日本社会の“品格”が問われています」

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うーん。

まあ、品格という言葉を使うと、
ちょっと違うかなと思いますが…


ゴーン氏が逮捕された直後に当ブログでも
以下記事で同じようなことを書いたのですが、

【続】カルロス・ゴーンの罪は一体何なのか?
http://www.hazemixeddays.com/2018/11/blog-post_23.html


何というか、大げさなようですが、
日本が世界から見放されるような不安を感じます。

外国人を差別するから、優遇しないから、
野蛮な国、品格の低い国、
というような理論ではなく、


日本が
「投資対象として不適格である」
と判断されるような気がするからです。

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投資というと、
潤沢な資金があって、
株なり投信信託なりで運用する、
不動産を購入して家賃収入を得る、
というようなことがイメージされやすいですが、


投資の「資」は現金だけではなく、
時間と体力、精神力も「資」のうちです。

つまり、高校生が少しでも時給の良い
バイトを探そうとするのは、少しでも
「利回りの良い投資先を探している」
ということに他ならず、
「世の中のすべての人が投資家である」
ということになります。


当然ゴーン氏も同じように
自身の時間と体力等の資本を
日産自動車の再建と経営安定化に投資し、
そのリターンとして役員報酬を受け取っていたわけですね。


(役員報酬が高すぎるとか何とか
くだらない外野がうるさい状況ではありましたが、
もうその次元の議論は意味をなさないので省略します。)


また「働いて収入を得れば税金を納める」というのも、
居住する国や地方自治体に投資していると言えるかもしれません。
日本という国は治安が良くて安全、
都市部は災害にも強い。
だから、多少税金が高くても
サービスが良い=利回りが良い、
と判断されれば優良な投資家が移住する(投資する)かも。


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しかしどうでしょうか。


このゴーン氏の逮捕関連のニュースを見ている中で、
「日本という国は素晴らしいな!
 是非投資をしよう!!」
と思える要素があるでしょうか。


一生懸命働いても難癖をつけられて逮捕される。
くだらない役人ばっかりがおいしい思いをして、
なんだかんだと理由をつけて利回りが下がり続けている。
(税金を増やすばかりでサービスは向上しない)


あくまで筆者個人の感想でしかありませんが、
この「閉塞感」、言い換えると「貧乏臭さ」は、
ちょっとヤバいと思います。


「うおおお!すげーな!
 頑張ったらあんなに
 おいしい思いができるんだ!
 俺も頑張ろう!」

って気にならないですよね。

つまり、「先行きが不透明、成長性が感じられない」
つまり、「投資先として不適格」となれば、

「新たな投資家を呼び込む」
つまり優秀な人材に日本で働いてもらうということは
難しいでしょうし、

さらに「既存の投資家が別の投資先に資金を移動する」、
つまり今日本で頑張って働いている人材が
より良い投資先を探して海外に移住し、
日本から優良な人材が流出していく。

そんなようなことになるってのが、
現実味を帯びてきているように思えます。


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以下は何となくの余談です。

いや、ゴーン氏が本当に悪いことをしていて、
巨額の詐欺を行って市場を大混乱に陥れて、
株式市場が底なしに下がりまくっている、
というような状況なら
「ビジネスマンとしてあるまじきだな!」
と思いますが、

二か月もかかって起訴すら出来ないってんじゃ、
もう駄目でしょうよ。

人によっては
「ゴーンって野郎は
 ほんとに日本人をなめてやがるな!
 ふざけやがって!」
というような
明治維新前の尊王攘夷思想のような感情に
とらわれているかもしれませんが、

ハッキリ言って「なめている」のは
ゴーン氏ではなく、
東京地検特捜部の方で、
「いやー、俺たち
 東大法学部卒のエリートだし、
 法律のプロだし、
 裁判所もこっちの味方だし、
 (と思ってたら最初の逮捕容疑の
  拘留延期してもらえなかったけど)
 適当に怒鳴り付けたら自白取れて、
 余裕で起訴⇒有罪っしょ!?」
的なノリで逮捕したのが見え見えで、


何か、すごく、
見てるこっちまで
恥ずかしい気持ち
になるんですよね。


いい加減にして欲しいもんですよ。


という記事も以前以下の様に書きました。

日本の官僚組織の身の程知らずがすごく恥ずかしい。
http://www.hazemixeddays.com/2018/12/blog-post_12.html


余裕のカルロスゴーン氏



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